「ニセ警察詐欺」を立場の異なる3人の視点で疑似体験 無料ブラウザゲーム「騙される30秒前」公開
株式会社Classroom Adventure、日本貸金業協会、中央大学文学部 心理学専攻 有賀敦紀研究室は、警察庁の協力のもと、ブラウザゲーム「騙される30秒前」を2026年10月28日(水)に公開した。警察官を名乗る詐欺「ニセ警察詐欺」を疑似体験できるゲームで、無料で遊べる。スマートフォン・タブレット・PCのブラウザに対応し、会員登録やアプリのインストールは不要だ。
制作を担当したClassroom Adventureは、闇バイトに巻き込まれる過程を追体験するゲーム「レイの失踪」を手がけ、東京都・警視庁などと連携して学校や地域で提供してきた。「騙される30秒前」は、同社が送り出す防犯ゲームの新作となる。実際の事件で使われた手口をもとに、詐欺の電話がかかってきてから送金に至るまでを再現している。

3人の中から1人を選び、着信の3分前からスマホを操作
プレイヤーは、年齢も立場も異なる3人の登場人物から1人を選び、その人物のスマートフォンを着信の3分前から操作していく。選んだ人物によって別々の結末が用意されており、ゲーム後の振り返りでは、騙された場面と対策を確認できる。
画面には、一般的なスマートフォンと、高齢者向けの文字の大きなスマートフォンを再現。ロック画面や通知、アプリの切り替えまで実際に操作できる。端末の中にはメッセージアプリ、写真SNS、銀行アプリなどの架空のアプリが入っており、主人公ごとに90〜226枚の写真も収められている。
実際の事件の手口に沿ってストーリーが進行
警察庁は、ニセ警察詐欺の主な手口として、警察官を名乗って「あなたは逮捕される」と不安をあおる、末尾が「0110」の国際電話番号からかけてくる、メッセージアプリやビデオ通話に誘導して偽の警察手帳や逮捕状を見せる、といった例を公表している。2025年に特殊詐欺に使われた電話番号123,138件のうち、92,996件(約75.5%)は国際番号だった。
本作では、こうした手口を3人の物語の中に落とし込んだ。末尾「0110」の国際番号からの着信、メッセージアプリのID追加、主人公の実名が入った逮捕状、「誰にも話さないで」という口止め、ビデオ通話をつないだままの送金まで、実際の事件で使われた手口に沿って展開する。ビデオ通話の場面では、「警察官」が偽の警察手帳と主人公の実名入りの書面をカメラに近づけてくる。

特殊詐欺の被害額の約7割を占める「ニセ警察詐欺」
警察官などをかたり、捜査を名目に現金などをだまし取る「ニセ警察詐欺」について、警察庁は2025年に特殊詐欺の件数・被害額が大きく増えた主な要因としている。警察庁によると、2025年のニセ警察詐欺は認知件数11,014件、被害額1,005.0億円で、特殊詐欺全体の被害額1,423.1億円の約7割(70.6%、警察庁資料の数値から算出)を占めた。1件あたりの被害額(既遂)は922.5万円で、それ以外の特殊詐欺(256.7万円)の3倍以上にのぼる。
被害は高齢者に限らない。2025年のニセ警察詐欺の認知件数を年代別に見ると、最も多いのは30代(2,239件)、次いで20代(1,718件)だった。警察庁は「高齢者だけでなく、20代、30代を含む幅広い年代の被害が増加」していると指摘している。2026年も1〜8月の暫定値で6,346件(前年同期比4.1%減)・被害額728.6億円(同27.0%増)となっており、被害額は前年を上回るペースで推移している(警察庁、2026年10月2日公表)。

ゲーム概要と制作チーム
- ゲーム名:騙される30秒前(ニセ警察詐欺を体験するゲーム)
- 公開日:2026年10月28日(水)
- 利用料金:無料(会員登録・アプリのインストール不要)
- 対応端末:スマートフォン(iPhone/Android)、タブレット、PCのブラウザ
- 体験時間:約7〜11分(主人公により異なる)、振り返り約3〜5分
- 音声:電話の音声が体験の中心のため、音を出せる環境が必要
- 対象:中学生から高齢者まで
- 活用場面:家庭、学校の授業、企業研修、自治体や地域の防犯講座など
- 提供:日本貸金業協会
- 監修:中央大学文学部 心理学専攻 有賀敦紀研究室
- 制作:株式会社Classroom Adventure
- 協力:警察庁
Classroom Adventureは2024年12月、失踪した友人「レイ」のSNSやDM、求人情報をたどりながら、闇バイトに勧誘されて抜け出せなくなる過程を追体験するゲーム「レイの失踪」を公開した。同作は東京都主催のTOKYO STARTUP GATEWAY 2024で最優秀賞(応募3,317件)を受賞し、東京都・警視庁、奈良県警察、兵庫県、鳥取県、東京都北区・荒川区・文京区など全国500以上の自治体や教育機関との連携のもと、中学校・高校の授業や地域の講座で使われている。
同社は「Make maenomeri(前のめりをつくる)」を掲げ、社会課題をゲームと物語によって自分ごと化する教育体験を開発する、慶應義塾大学発のスタートアップ。偽情報や生成AIフェイクへの向き合い方を学ぶ「レイのブログ」なども展開しており、累計10万人以上が体験し、250以上の学校・団体で導入、世界14カ国で展開している(2026年7月時点、同社集計)。





